8月6日に公開された読売新聞の記事によれば
政府は、使用者が労働時間を把握する義務があることを「明記」するように
労働安全衛生法の施行規則を改正するように決めたとのことです。

それでは、この改正が行われる前までは
使用者には労働時間を把握する義務はなかったのでしょうか?
そうではありません。
労働基準法において明文ではないものの、
使用者には労働時間を把握する義務があると解釈されており、
それを受けて厚生労働省は「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」を定めています。(厚生労働省HP
現在においても、残業代請求の裁判等においては、このガイドラインを根拠として、
使用者に労働時間の把握義務があることを前提に進められることが一般です。

このように現状においても使用者の労働時間把握義務は存在しています。
ただし、明記されることで使用者としては、
より適切に労働時間管理をおこなう必要が出てくると考えられます。
いずれにしてもどのような改正がなされるか注視する必要があると思います。