先日の連休でちょっとした隙間の時間があったもので、1人で「12人の優しい日本人」という映画をネットでみました。今は月額1000円以下で映画見放題みたいなサービスがあるので、わざわざレンタル屋にいかなくても家で映画を楽しむことができます。便利なものです。
ご存知の方も多いと思いますが、「12人の優しい日本人」というのは「12人の怒れる男」とう映画のオマージュで、三谷幸喜脚本作品です。「仮に日本に陪審員制度があったら」という仮定のもと、12人の陪審員が1つの事件を議論するというものです。
この映画が製作された1991年にはいわゆる陪審員というものはありませんでしたが、その後、類似の裁判員制度が導入されているのはご存知のとおりです(なお陪審員と裁判員というのは厳密にいえば異なる制度ですが、そこは置いておきます)。
映画内の陪審員制度の設定が、実際の裁判員裁判と異なるのは以下の点です。
・ 映画内では陪審員だけで決定する → 実際の裁判員裁判では裁判員6名に加えて、職業裁判官3名が加わる。
・ 映画内では陪審員の全員一致が原則 → 実際の裁判員裁判は多数決で決定(ただし、裁判員だけでは、被告人に不利な判断(被告人が有罪か無罪かの評決の場面では,有罪の判断)をすることはできず,裁判官1人以上が多数意見に賛成していることが必要です。)
以上のような違いはあるものの、ある1つの事件をめぐる陪審員同士のやり取りは、とても面白く約2時間程度の作品ですが、休憩することなくほとんど一気にみてしまいました。特に1つの事件を多面的に検討するということは、絶えずこころがけるようにはしていますが、なかなかできていない部分であり、また1人で検討することの限界と人と議論することの大切さなどを改めて痛感しました。
ご覧になっていない方がいらっしゃったら、お時間のあるときにぜひ。おすすめです。